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カーオーディオの潮流に新風を吹き込む!

カーオーディオの潮流に新風を吹き込む!

 ベルギーの特産物で我々に馴染みのあるものといえば、何はさておき、チョコレートだ。ただし、カーオーディオファンの中から今後真っ先に名が挙がるのは、『ベンチャーオーディオ』に違いない。それほど同社のスピーカーのインパクトは鮮烈だ。
 今回改めて3つのバリエーションを試聴したが、いずれも有機的かつヴィヴィッドなサウンドで、解像度・情報量志向の強い今日のカーオーディオの潮流に新風を巻き込んでくれるのではないかと期待が持てた。
 クロスオーバーネットワークがセットになったDD-165は、同一素材によるダイアフラムという優位性もあるが、2ウェイのつながりが抜群によい。ヴォーカルの瑞々しい質感再現や定位の明瞭さは、まるでフルレンジユニットが鳴っているかのよう。空間表現も良好で、ステレオイメージの立体的な描写力にも長けている印象だ。
 1.5インチのベリリウムトゥイーターとカーボンファイバー・ダイアフラムによる2ウェイも、ヴォイシングの賜物か、異なる素材とはいえ質感が揃っている。こちらはよりセンシティヴかつクリアー。ボトムエンドの切れのよさと高域の伸びやかさが素晴らしく、ハイレゾ再生を推し進めたい人にとってはベストチョイスといえる、現行ベンチャーオーディオの象徴的な組み合わせといえよう。
 3ウェイは、ミッドレンジが加わったことによる声の実体感、実在感があっぱれ。ウーファーは負担が軽くなったのか、キックドラムのレスポンスが重たいのに鋭敏。高域もストレスフリーで、ソロ楽器の定位の克明さが白眉といえる。たとえミッドレンジの取付けに苦労するとわかっていても、この中音域の充実はトライする価値が充分にあると思う。
 こうしてじっくりと味わったベンチャーオーディオの車載用スピーカー。まさしく、違いがわかるマニアに向けた、ビター&スウィートなモデル群である。

小原 由夫

小原 由夫(おばら よしお)
オーディオビジュアル専門誌の執筆活動を始め、カーオーディオコンテストでも的確な審査・アドバイスがユーザーから好評を得ています。最近では『ジェフ・ポーカロの(ほぼ)全仕事 レビュー&奏法解説でグルーヴの秘密を探る』の執筆も行っている。

取材協力:on and on株式会社
URL:http://e-onandon.jp/

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